秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
気づけば、わたしたちのまわりに人はいない。
知らないうちに舞台の近くに移動していたらしい。

司会の女性が春くんにマイクを渡した。

春くんはマイクを持つと、壇上にあがり、挨拶を話しはじめた。

「このたびは三上物産の船上パーティーが30周年を迎えられたこと、お祝い申し上げます。わたくし、宝永商事の九条春臣と申します。
この度、このような機会を設けていただいたこと感謝いたします。」

慣れている…と思った。
さすが、春くん。こういう挨拶、うまいなー。

ほれぼれして眺めていたら、突然びっくりするようなことを言いだした。


「葛城夏菜さん!」


え?わたし?


驚いたわたしは絶句して何も言えずに目を見開いた。


「夏菜!返事!」

え?

「はい!」

とりあえず返事だけは元気よく。


そしたら、司会の女性がわたしを壇上にいざなっていく。
わけもわからないままわたしはその女性に連れられ、壇上の春くんの前に立たされて…

< 206 / 244 >

この作品をシェア

pagetop