秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
~九条春臣side~


『婚約解消したって聞いたぞ!』

『ああ。そうだが。』

『なぜだ!』

シンガポールの空港に行く前にアクセサリーショップに寄って、出てきたところで、スマホが震えた。

『かおりも俺もお互いが好きじゃないから。それだけだ。』

『そんなこと!信じられるか!』

受話器の向こうで怒りに我を忘れている男というのは…扱いづらい。

『葛城夏菜って何者だ?』

突然出てきた夏菜の名前にドキッとする。

『婚約者だよ。俺の。』

ちょっと焦りながら答えた。

『社員だろ?経理課の。いつ知り合ったんだ?』

『社内でだよ。いつ知り合ったとか京太郎に言う必要はないと俺は思ってるけど?』

『好きなのか?』

少し間があって京太郎が聞いた。
何を突然…

『そうだよ。』

『そうか…ならいいよ。』

そして気まずい間があった…。

『俺、飛行機の時間あるから。切るぞ。』

一方的に電話を置いた。


まったく…京太郎のやつ…
もう…いい加減素直になればいい…

俺に気を使うな…
気を使われる…俺がつらい…。
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