先生の全部、俺で埋めてあげる。
「ごめんね、びっくりしただけだから」
先生は謝って、俺を見た。
「せんせ、ごめん」
俺が言葉を発した時にはもう手遅れで。
雷に震える先生に近づいて、強く自分の方に抱き寄せていた。
「里巳くん…?」
「雷が止むまで、こうしててあげます」
ただ自分が先生に触れたかっただけなのに。
「でも…」
「怖いんでしょ。俺がいるから大丈夫」
そう言って先生を抱きしめる腕の力を強める。
せんせ…
好き。
大好き。
今にも口走ってしまいそうな感情を抑えて、俺は力いっぱい先生を抱きしめた。