先生の全部、俺で埋めてあげる。



そんなことを考えていると
だんだん教科書の文字が擦れて見えてきて。


声が出なくなった。




「里巳くん?」


先生の声が聞こえて、


「里巳くん?!」


教卓にいた先生が、いつの間にか俺のすぐ近くまで来ていた。


必死に俺の名前を呼んでる先生。




なんでそんな顔してんの?


俺大丈夫だよ。


だからそんな顔しないで。




そう思いながら意識を失った。



< 149 / 338 >

この作品をシェア

pagetop