先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生は病室に戻って来たかと思うと、また椅子に座った。


「先生もう大丈夫ですよ。学校戻って下さい」


「家政婦さんが来るまでいるよ」


「でも…」


「私がいたいの」




ほら。


そうやって一瞬にして俺の気持ちを全部持っていく。


そんなこと言われたら何も言い返せないよ…。


もしかしたら、まだ俺にも可能性があるんじゃないかって期待してしまう。




ズルいよ先生…。



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