先生の全部、俺で埋めてあげる。



久しぶりに先生と2人きり。


先生のアパートの前で話をしてから、まだ数日しかたっていないのに、随分と懐かしく感じた。


しばらく目をつぶっていて。


頭痛が少し和らいできて、頭がボーっとしてきた時だった。




「生きててよかった」




先生は、突然。


何の脈絡もなく、そう言って。


その声が今にも消え入りそうで、
一瞬にして頭が冴えわたった。



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