先生の全部、俺で埋めてあげる。
文化祭が始まって、外部のお客さんもたくさん入ってきた。
一番最初の当番だった俺は、チラシ配りを任命された。
「クレープ作りたい」
そんなことを言ったら、
「お前の顔を宣伝に使わないでどうする?!」
柾木に半ば強制的にチラシ配りにさせられた。
仕方なく、目の前を通る人に適当にチラシを配る。
こんな不愛想な俺がチラシを配ったところで集客効果なんてないだろ。
そう思いながらもやっぱり作り笑顔は苦手で。
ただ黙々とチラシを配っていた。