先生の全部、俺で埋めてあげる。
「海香…」
「さっき、ここに入って行くとこ見えたから」
そう言って俺に近づいてきた。
「大丈夫?具合悪いの?」
そうやって心配そうな顔をして、なんで俺にそんなに構うんだよ…。
「なんか用?」
不機嫌にそう言う俺を、海香はただじっと見つめてくる。
「なんだよ」
「夕惺くんの好きな人ってもしかして、さっきのあの先生?」
「は?」
「さっきのやり取り見ちゃった」
「違うよ」
「でも…」
「違うって言ってんじゃん」
まじうざ。
土足で平気な顔して俺の中に入ってこようとすんな。