先生の全部、俺で埋めてあげる。
「なんで、あの後連絡返してくれなかったの」
「忙しかったから」
「私、夕惺くんとのあの夜のこと、忘れられないんだけど」
そう言ったかと思うと海香は急に俺の視界に入ってきて。
「責任取ってよ」
しっかりと海香を認識した時には、海香の唇が俺の唇にあたっていた。
突然のことにびっくりして。
思わず海香を突き放した。
「やめろよ」
唇を拭いながら海香を見ると、海香の後ろに人影が見えた。