先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生と一緒にいるとこんなにもドキドキするのに。


先生は俺の望んでいる言葉を一切言ってくれない。


今、自分がどんな感情でいるのかさえ分からなくなるくらい、ぐちゃぐちゃになる。




俺はいつもの先生と同じように、先生の目の前の席に座った。


図書館よりも小さなテーブルで。


少し手を伸ばせは先生に届いてしまう距離。




「先生はいつも図書館で授業の準備とかしてたけど、家でしないんですか?」


先生が警戒してしまわないように、当たり障りのない話をする。


俺の言葉を聞いて、先生の手が止まった。




出来るだけ先生と長く一緒にいたい。


少しの時間でもいいから長く。


それくらい望んだって、いいよね?



< 202 / 338 >

この作品をシェア

pagetop