先生の全部、俺で埋めてあげる。



「家だとサボってしまうから」


「先生でもサボったりするんですね。意外です」


「意外?」


「俺にはサボってる姿なんて想像できませんから」




「…私は里巳くんが思ってような人間じゃないよ」


「なんですかそれ」


俺が先生のこと美化しすぎだとか言いたいのかな。


俺がどんなふうに先生のこと思ってるのか知らないくせに。




「だらしないし、ぬけてるし、ウソだってつく」




なんだ、そんなこと。


別に全然いいよ。


だらしくなくても

ぬけてても

ウソついたって。


もう好きになっちゃったんだから。


そんな先生の丸ごと好きなんだよ。




「先生が例えどれだけ腹黒で性格悪くても、本当は超ドケチで自販機の小銭漁ってたとしても、俺は先生が好きです」



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