先生の全部、俺で埋めてあげる。




12月24日。


2学期最後の登校日。


終業式が終わって、最後のHRで先生とのお別れ会が開かれた。


先生は生徒たちに囲まれて、写真を撮ったり花束を貰ったりしてる。


泣いてる子もいて、先生ももらい泣きをしていた。


「夕惺はいかなくていいの?」


そんな先生を遠くから眺めていた俺に、柾木は言った。




「いいよ、別に」


多分だけど、柾木は俺が先生に好意があることを知ってる。


「ふーん」


俺の言葉に気のない返事をする柾木。




いいんだ。


だって、これからはいつでも会えるから。


約束したから。




ぼーっと遠目で先生を眺めていると目が合って。


先生はぎこちなく笑った。


その笑顔が少し不自然に感じて。


でも、きっと学校を辞めるのが寂しいからだと、その時は気にもとめなかった。



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