先生の全部、俺で埋めてあげる。
「”attachment”って本借りたいんですけど、見当たらなくて。誰か借りてるんですかね?」
「調べてみますね」
にっこりと微笑んで対応してくれているこの図書館の人は、俺が高校の時からここで働いている人で、名札を見ると”青山”と書いてある。
「あー昨日、貸し出されてますね」
その青山さんはパソコンのマウスをカチカチと操作しながら教えてくれた。
「ちなみに誰が借りたとか分かりますか?」
「そこまでは、さすがに個人情報なんで」
「そうですか」
そうだよな、やっぱり教えてくれないか。
どうすれば借りた人を知ることができるんだろう。
「まだ、彼女のこと待ってるんですか?」
図書館の人の発言に、一瞬言葉が詰まった。