先生の全部、俺で埋めてあげる。



「本当に教師目指して頑張ってるんだな」


教授はそう言って遠くを眺めた。


「加ヶ梨先生は大学の時から教師になろうとしてたんですか?」


「いや加ヶ梨じゃなくて、教師を目指いしてたのは、如月(きさらぎ)なんだけどな」




ん?


先生は教師になりたいんじゃなかったんだ?


てか如月って誰だよ。




「あの時の加ヶ梨は見ていられなかった…」




教授の意味深な発言がさっきからずっとモヤモヤする。


ずっと前に、先生のお兄さんと会った時もお兄さんは意味深なことを言っていた。


その時と教授の今の空気感が少し似ている。




「先生に何があったんですか?」



< 272 / 338 >

この作品をシェア

pagetop