先生の全部、俺で埋めてあげる。



「あ!いい感じの枝はっけーん!」


柾木は自分が先生に話しかけておいたのにも関わらず、先生の言葉を聞く前に枝を拾いに行った。


本当に自由なヤツ。




「放課後、図書館にいること言ってないの?」


柾木に聞こえないように気を使って俺に聞く先生。


それもそれでなんて答えていいか分からない。




「まぁ。別に、特別に言う事でもないかなって」


「あんなに寂しがってるのに?」


俺がなんて言えばいいのか分からなくて言葉に詰まっていると


「何があるかは知らないけど友達は大切にね」


そう言って柾木と一緒に枝を拾い始めた。




大切にしていないわけじゃないんだけどな。



< 30 / 338 >

この作品をシェア

pagetop