先生の全部、俺で埋めてあげる。
「あ!いい感じの枝はっけーん!」
柾木は自分が先生に話しかけておいたのにも関わらず、先生の言葉を聞く前に枝を拾いに行った。
本当に自由なヤツ。
「放課後、図書館にいること言ってないの?」
柾木に聞こえないように気を使って俺に聞く先生。
それもそれでなんて答えていいか分からない。
「まぁ。別に、特別に言う事でもないかなって」
「あんなに寂しがってるのに?」
俺がなんて言えばいいのか分からなくて言葉に詰まっていると
「何があるかは知らないけど友達は大切にね」
そう言って柾木と一緒に枝を拾い始めた。
大切にしていないわけじゃないんだけどな。