先生の全部、俺で埋めてあげる。



「先生はそれで本当に幸せですか?」


もし俺が先生の恋人だったら、先生にそんな事して欲しいなんて、絶対思わない。


先生には自分のことなんて忘れて幸せになってほしいって思う。


忘れてって言うのはやっぱウソだけど、でも自分のせいでいつまでも辛いままの先生なんて見たくない。




俺の言葉に先生は力なく笑う。


「私は幸せになってはいけないの」




初めて会った時の先生は本当によく笑ってて。


いつも楽しそうで、キラキラしていて。


そんな先生が、そんな想いを抱えていたなんて。


「俺たちの担任やってた時、先生は楽しそうでした。あの時の先生は全部偽りだったんですか?」


「それは…」


いいんだよ、別に笑ったって。


いいんだよ、少しぐらい幸せを感じても。


先生の好きだった人はそんなことで怒ったりしないでしょ?



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