先生の全部、俺で埋めてあげる。
「倒れた時の打ち所が悪くて、1週間ぐらい入院になったんだけど。
もしあの時今井さんが戻って来なかったら、俺はもうここにはいなかったかもしれないって言われて」
「里巳くん…」
今の先生には少し酷な話かもしれない。
でも先生が俺に話してくれたように、俺も先生に聞いてもらいたい。
「俺の両親さ、それに懲りてちょっとは仕事セーブして俺のこと見てくれるんじゃないかって期待したんだけど、全然そんなことなくて。
今井さんは心配してちょくちょく顔を出してくれるようになったんだけど。
でも、自分の力で生きていかないといけないんだってって実感したんだ」
「そんなの…」
「もう高校生にもなると、倒れることもなくなってきてたんだけど。
先生が赴任してきて、俺がまた貧血で倒れそうになった時あったじゃん」
「校外授業の時?」
「そう。先生はすぐに気づいて、心配してくれて。
俺がいいって言ってんのにずっと一緒にいてくれたじゃん。
あの時すげー嬉しかったんだよね」