先生の全部、俺で埋めてあげる。
「せんせ」
「なに?」
俺は先生の瞳をじっと見つめて、先生の頬にそっと触れた。
決勝の時みたいにぐっと顔を近づけると、先生も俺を見てくれて。
それだけで心臓がおかしくなるくらい、うるさく鳴り響く。
先生もこれくらい俺でドキドキすればいいのに。
「俺は莉子を愛してる」
「…え?」
あー。
なに言ってんだろ、俺。
「今キュンとしました?」
俺は、さっきの言葉を打ち消すように冗談っぽく笑ってみせた。