先生の全部、俺で埋めてあげる。



「なに?ゲームの続き?!びっくりしたー」


先生は自分の胸を押さえてホッとしたように笑った。




「先生が変なこと言うから仕返し」


そう言って俺は車を降りた。




「ありがとうございました」


「しっかり休んでね!
明日の学校無理しなくていいから」


「はい」


扉を閉めると先生はまた両手にハンドルを握って車を出発させた。



先生の乗っている車が見えなくなるまで見送って。


マンションのエレベータに乗って、俺は自分の降りる階も押さずにしゃがみ込んだ。






あー、


まじで何やってんだよ、俺…。




この時は、衝動的に
何の自覚もなく動いた自分に、ただただ唖然とした。



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