桝田くんは痛みを知らない
「僕はいいんだ」
昔から、そうだ。
マサオミくんは甘いものは食べない。
カステラをうちまで持ってきてくれたりするのは、わたしが好きという以前に、マサオミくんが食べないから。
それでマサオミくんはわたしの好物をイロイロと把握しているのだ。
「宗田先輩、チョコも苦手ってウワサ聞いたことがあるんですけど。ほんとですかー?」
「うん」
「バレンタインになると、先輩のファンはチョコ渡したいのに渡せないジレンマに陥るわけですね」
「はは。そんなことないんじゃない?」
「そうですか〜?」
「マフラーとか、ハンカチとか。そういうもの渡されるから」
「あー、やっぱり。もらうもん、もらってるんですねえ」
「せっかく用意してくれたもの、跳ね返すのも悪いかなって。気持ちだけでいいのに」
「お返ししたりするんですか?」
「簡単なものをね」
「さすがです」
昔から、そうだ。
マサオミくんは甘いものは食べない。
カステラをうちまで持ってきてくれたりするのは、わたしが好きという以前に、マサオミくんが食べないから。
それでマサオミくんはわたしの好物をイロイロと把握しているのだ。
「宗田先輩、チョコも苦手ってウワサ聞いたことがあるんですけど。ほんとですかー?」
「うん」
「バレンタインになると、先輩のファンはチョコ渡したいのに渡せないジレンマに陥るわけですね」
「はは。そんなことないんじゃない?」
「そうですか〜?」
「マフラーとか、ハンカチとか。そういうもの渡されるから」
「あー、やっぱり。もらうもん、もらってるんですねえ」
「せっかく用意してくれたもの、跳ね返すのも悪いかなって。気持ちだけでいいのに」
「お返ししたりするんですか?」
「簡単なものをね」
「さすがです」