芦名くんの隠しごと



「それに悟、少し用事あるとか言ってなかったか?いいのか?もうこんな時間だけど」


腕時計を見ながら、花瀬くんがサトルという男に言った。


どうやら彼は、出掛けるのかもしれない。


そう思うと、少し気がラクになった。


「………おっと。たしかに、これはちょっといけませんね。いってきます。そうそう、人質は慎重に管理してくださいね?それに、逃げないように見張っておいてください」


「言われなくてもそーするつもりだよ。ほら、じゃーな」


半ば強引に見送っていたから、花瀬くんはサトルという人を追い出したような感じに。


今ここには………誰も隠れていなければ、私と花瀬くんだけ。


気を緩められないのはたしかだけど、やっぱりサトルという人がいなくなったから、少しは気がラクになった。


「───安心しろ、水上。ここには他には誰もいねえ」


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