芦名くんの隠しごと



え、えっと………?

今のため息は、もしかしてそういうこと、なの?



「…芦名くん、カッコ悪くない」


「え?」


「私の中で、芦名くんは誰よりもカッコいいの。いちばんなの」



バレてもいいと思った。というか、もうバレてる気がする。私の気持ちなんて、とっくに。



「……野乃、もう無理」


「な、なにが……?」




「───好きだよ。おれの“たったひとり”になって」


< 216 / 279 >

この作品をシェア

pagetop