緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
貸し切りにされた多国籍料理屋。
あちこちの学部から集められた大学生がごった返し、わいわいとお酒を飲み交わしている。

そんな賑やかな一角で、私たちは2人でグラスを付き合わせていた。

「で、最近どうなの?恋愛の方は。
婚活するとか言ってなかった?」

「あー…。あれね。
やめた。今はちょっと休憩」

ドキリとすると同時に、若干痛む胸の奥。

「だから言ったじゃん。
フラれたからって、婚活なんていくらなんでも急ぎすぎだって。
私たちみたいな大学生が行っても、むこうだって冷やかしとしか思わないに決まってるもん。
こうやって、飲み会に参加してる方がよっぽど良い出会いあるってば」

半年前まで付き合っていた社会人の彼氏。
私が卒業したら結婚しようなんて話していた。だけど、そんな私たちに立ちはだかった壁が、彼の海外出張。

毎日連絡する。そんな約束を交わして始まった、日本とアメリカとの超遠距離恋愛。最初の頃は、約束通りに毎日連絡をとってたけど、いつしか連絡は2日に1回、3日に1回、1週間に1回、とどんどん頻度が落ちていき、気が付くと1か月連絡をとらなくなっていた。

物理的な距離が離れると、心の距離も離れてしまう。
不安で仕方なくて、泣きながら電話をしようとしたけど、なんだか怖くて出来ないまま。
< 83 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop