緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「うっ、わ!
ごめんなさい!」
開いた眼に最初に飛び込んできたのは、面倒くさそうな顔をした楓馬君。
「起きてすぐに謝罪か。少しは自分の立場がわかってきたのかな?
でも今降ろすのも面倒だし、そのまま掴まっておいて」
そのまま!?
お姫様だっこの状態で屋敷内を歩かれるってこと?
「うそ…、恥ずかしいのですが…」
「じゃ、むしろそのままで」
時々すれ違う使用人の目が痛い。
不本意だけど、首にしがみついて顔を隠すことにした。
恥ずかしすぎて顔から火が出そう。
いや、もう出ててもおかしくない。
不覚にも顔をうずめた楓馬君の首元。
あ…。
この香り。
さっきまどろんでる中でうっすらとくすぐったこの香り、楓馬君のものだったんだ。
なんで、心地良いなんて思っちゃったんだろう。
激しく後悔…。