何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
ガチャ

その門は天音が鍵を刺すと、鈍い音を立てて開いた。幸いそこに兵士はいない。

「やった!成功!」

天音は、無事に外に出る事ができ、思わず嬉しそうに声を上げてしまった。
そして、青は久々の外の空気に触れ、緊張から解き放たれたのか、大きく息を吐いた。

「姉さんのお墓は、町の東側にあるはずなんだけど…。」

そして、天音と青はお姉さんのお墓へと向かおうと、とりあえず東の方向へと歩いて行くが、彼の記憶は曖昧のようだった。

「どこかな?」

天音は暗がりの中、青のお姉さんのお墓を見逃さないようにと、周りのをキョロキョロ見回しながら歩いて行く。

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