御坂くん、溺愛しないで。



運が良かったのはどちらも私たちを気にせず、一切視線を向けられなかったことである。


「先輩と昼休みも過ごせるって、なんか嬉しいですね」

「うわぁ、見て見て御坂くん!
もうすぐでミルクプリンが食べられ…御坂くん?」


ミルクプリンを前に、興奮が冷めない私に呆れたのか、御坂くんは自分の右手で顔を覆う動作をした。


「自分の世界に浸ってる先輩、かわいすぎです。
一瞬本気でミルクプリンになりたいと思いました」

「ダメだよ!それだと私が御坂くんを食べることになっちゃう!」


いきなり何を言いだすのだ御坂くんは。
本当に不思議な人。


「先輩の反応もかわいすぎてダメです。でもさっきまでの暗い気持ちが嘘のように吹き飛びました」


目を細めて優しく笑う御坂くんはどこか嬉しそうで。
もし今の言葉が本当なら良かったと思った。

特に何かした覚えはないけれど、先ほどの気持ちがなくなったのならば良かった。

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