御坂くん、溺愛しないで。



心に余裕ができた私は頭が撫でられている中、ミルクプリンを口へ運ぶ。

何回食べても飽きず、美味しい。


「あっ、忘れてた」
「……何がですか?」

さっきまで御坂くんに食べてもらおうと思っていたのに、頭を撫でられたことですっかり忘れてしまったのだ。



「御坂くんもこのプリンを食べてください!」


御坂くんが買ったのだ、私が全部食べてしまうのは気が引ける。

それに美味しいものは共有したいのだ。


「えっ…」

けれどなぜか、御坂くんは目を見張って固まってしまう。

頭を撫でられている手すらも止まってしまったから、完全停止である。


「み、御坂く…」


「ねぇ松くん、私もあの子みたいに頭ナデナデされたいなぁ?」

「ナデナデってかわいい言い方して。
仕方ないな、いいぞ?」


思わず行動停止した彼の名前を呼ぼうとした時、隣のベンチに座っているカップルが突然大きな声で会話を始めた。

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