御坂くん、溺愛しないで。



ゆっくりと確認すれば、それは確かに御坂くんの手で。


男の人に触れられている。

そう理解した途端、怖くなった私は思わず口をぎゅっと閉じた。


けれど大丈夫。
この前みたいに気絶するようなことはしない。

それに怖くない、怖くないから。
だって相手は御坂くん。


このそっと置かれた手は御坂くんのものなのだから。



「……っ」

今度はその手が下へとおり、優しく撫でられる。


突然のことで肩がビクッと跳ねたけれど、また大丈夫だと自分に言い聞かせた。


少しの間ぎゅっと目を閉じて固まっていると、思いのほかすぐに恐怖心は薄れていった。


それは御坂くんの手つきが優しいからだろうか。

それとも、御坂くんに対しては大丈夫になってきたのだろうか。


いずれにせよ、これは大きな成長である。

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