御坂くん、溺愛しないで。
「一回俺が声かけようとしたら、『ひとりになりたい』と言って拒絶されたなぁ。
でも理玖は弱いところを一切他人に見せず、ひとりで抱え込んでばっか。そんな理玖が…」
視線を下に向けて話していた筧くんが突然私のほうを向いたけれど。
続きが気になっていた私は恐怖心を抱かず、ただじっと筧くんを見つめ返していた。
「さっきまで木原ちゃんといたんだ。
それって本当にすげぇことなんだよ」
「えっ…」
まさかここで私の名前が出てくるとは思っておらず、驚きのあまり目を見張った。
私といたことが、すごい…?
「本来の理玖ならあの後、絶対にひとりになりたかったはずだ」
「……あっ」
そういえば食堂前で同級生の男の人には教室に戻ると言いながら、御坂くんは教室に戻る気なんてさらさらなかったと思う。