御坂くん、溺愛しないで。




「あの、先輩…さすがにこのままだと周りの視線が…」

「あっ!」


すっかり忘れていた。
今この場は全学年が集まる靴箱だということに。

慌てて御坂くんから離れる。


「ご、ご、ごめんね…あっ、靴履き替えてきます!」

恥ずかしくなった私は俯き加減で自分の靴箱へと向かった。


その途中に視線を感じたけれど、すべて気付かなかったフリをして。

「何理玖と抱き合ってたの?」
「……っ」


けれどちょうど靴を履き替えていた琴葉には突っ込まれてしまって逃げられなくなる。


「抱き合ってたわけじゃ…」
「咲、大人しかったね」

「う、ん…自分でもわからなくて、まったく怖くなかったから」


日に日に御坂くんに対しての思いが変わっていく気がする。

最初は気絶するほど怖かったというのに、今はまったく怖くないのだ。

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