御坂くん、溺愛しないで。
けれど転ぶことはなく、代わりに何かに包まれるような感覚がして。
「先輩、走ったら危ないですよ」
「……っ」
思わず閉じた目をゆっくり開けると、白いシャツが目の前に広がっていた。
つまりこれは、御坂くんに……抱きしめられている?
この状況、前にもあった。
転びそうになって御坂くんの腕を掴み、彼も私を支えてくれたのだ。
けれどあの時は密着したのが怖くて、逃げ出してしまったけれど今は───
今は、怖くない。
「あの、大丈夫ですか?」
「あっ、えっと…」
私を心配した御坂くんが声をかけてくれたけれど、恐怖心を抱かなくなった自分に戸惑っていた私は言葉に詰まらせてしまう。
こんなにも大胆に密着しても、もう御坂くんは怖くない。