御坂くん、溺愛しないで。



「それ本当ならやばくね?
今回こそお近づきのチャンスじゃん!」

「連絡先とかゲットできたらいいなぁー」

「でも秀太でも話せねぇんだろ?
この間も無理だったし、俺たちがいけんのかな」


どんどん声や足音が近づいてくる。
どうしよう、逃げ場がない。

男の人であることは確実だ。


慌ててお弁当の蓋を閉じてランチバックに戻し、逃げる準備は完璧だったけれど。

足が震えて力が入らない。


どうやら私は本当に御坂くんしか無理みたいだ。
恐怖心を抑えられない。


ぎゅっと目を閉じて俯いていると、ついに男の人たちが中庭に到着したようで。


「おっ、見てみろよ!
やっぱりいた!」

「この間は暗くてよくわからなかったけど、本当に小柄でかわいいな」


どうしよう来てしまったどうすればいいのだ。
男の人たちの視界に私が映っている。

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