御坂くん、溺愛しないで。



「本当だ、筧くんと御坂くんの連携プレーが観れたらいいね」

「絶対かっこいいよ」


あっ、今琴葉の頬がゆるゆる状態だ。
きっと筧くんに向けての言葉だろう。

確かにバスケをしている時の筧くんは、普段とギャップがあり真剣な表情はかっこいい。


その分笑った時の姿は新鮮で爽やかでもあった。



けれど御坂くんだって負けてない。

意外と感情表現が豊かな御坂くんも、今は集中していて静かで真剣だ。


恐らくあれが“バスケ姿”の御坂くん。
油断していたらその瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

じっと御坂くんから目を逸らせないでいると、ビーッと電子タイマーの音が鳴り、休憩時間が終わる。


つまりここからは一二年の試合だ。


琴葉の言う通り筧くんと御坂くんは試合に出るようで、練習着の上から緑のビブスを着ていた。

そして先ほど御坂くんと話していた同期の男の人も出るようで。


一年はそのふたりで、あとは筧くんを含めた二年が三人出るらしい。

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