御坂くん、溺愛しないで。



それからも試合が続き、接戦の末私たちの高校が勝って終わった。

それから十分間の休憩があり、次は一二年のチームでやるようだ。


先ほど出ていた人たちは固まって休憩し、御坂くんたちを含めた一二年生がコート内に入って再度ウォーミングアップを始めた。



「次、理玖出そうだね」
「うん…!」

「咲嬉しそう」
「だって御坂くんのバスケ姿が観られる…!」


高まる鼓動。

楽しみだ。
絶対にかっこいいに決まっている。


「理玖のことだから咲の期待に応えそう」
「え…」

「相当気合入ってるよ、あれ。
集中力がすごい」


確かにウォーミングアップだけでも、御坂くんの存在感が大きく、圧すら感じられた。


「私も久しぶりだな、理玖のプレー観るの…って、秀太も出るっぽいね」


琴葉がそう言ったため、筧くんの姿を探す。

するとビブスを脱いだ筧くんが、ウォーミングアップ中の一二年生の輪の中に入っていくのが視界に映った。

< 263 / 345 >

この作品をシェア

pagetop