御坂くん、溺愛しないで。



それでも中々通常運転になれず、三年生の試合も終わってしまった。


後半の少しだけ三年生の選手と交代して御坂くんが入っていたけれど、それすらも純粋な気持ちで観れなくて。

モヤモヤしたまま、申し訳ない気持ちだけが募っていく。


せっかく御坂くんに誘われて来たというのに、こんな暗い表情で試合を観戦してしまって申し訳ない。


「三年生の試合にも出るなんて、理玖くんすごいね!」

「本当にね!
早く差し入れのスポーツドリンク渡しに行こうよ!」


そして試合が終わるなり、隣で観戦していたふたりの女の子はギャラリーを後にした。

どうやら彼女たちも差し入れを用意していたようで、渡しに行くみたいだった。


「理玖と同じクラスの女子っぽいね。
仕方ないよ、理玖は中学の時から人気だったし」

「うん…」
「はい笑って咲!」


練習試合が終わり、後片づけが行われている中私は琴葉に両頬をつねられる。

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