御坂くん、溺愛しないで。
「あー、そうきましたか先輩」
御坂くんの反応がどのようなものかと恐れていると、彼は長いため息を吐いた。
「えっ、と…」
「変に期待させないでください」
御坂くんが少し怒ったような声をあげる。
もしかして怒らせてしまったのだろうか。
けれど私は何も悪くない。
どうせなら期待してもらい、私の気持ちが伝われば良いなって思っていたくらいである。
「じゃ、じゃあ…期待してください」
そのため私は思い切った行動に出てしまい、御坂くんの手をまたぎゅっと強く握り返した。
私にしては大胆な行動。
これはもう“好き”と言っているようなものだ。
心臓が尋常じゃないほどドキドキして、壊れてしまいそうで。
これまでの緊張と比にならない。