御坂くん、溺愛しないで。

「はい…！」
「やっぱり、もう少し待ってもらえますか」

「えっ…」

「負けたくないです、自分にも真司にも。それから真司にも変わってほしいと思うから」


覚悟を決めたような言い方に、私は黙って最後まで聞くことにした。


「俺と真司は中学は同じだったんですけど、小学校は別々だったんです。その時に所属していたミニバスケのクラブで、よく真司との小学校とは試合をしてて。

周りからも言われるくらい、俺と真司はライバル関係だったんです」


昔を思い出し、目を細めて楽しそうに笑う御坂くん。


「だから同じ中学校だと知った時は嬉しかったんです。ライバル関係から、今度はチームメイトに変わる。お互い喜んで、最初はお互いを高め合ってました。

けど…」



一度御坂くんが黙った後。
またゆっくりと口を開いた。