御坂くん、溺愛しないで。
「真司の家は厳しいから、絶対に一番じゃないとダメだったんです」
「……え」
御坂くんの口から放たれる真実。
けれどそれは真司くんを庇うような言い方にも思えて。
「勉強もスポーツも、何でも一番じゃないといけなかった。中学二年になる頃には、真司に避けられるようになって。
でも俺だって手を抜くような真似はしたくない、部員全員で高め合ってもっと上を目指したいと思ってました」
バスケが好きだからこその思い。
御坂くんは本気のバスケをしたかったのだ。
「それが逆に真司を焦らしてしまったのかもしれません。実力では俺も真司も同じぐらいだったと思います」
御坂くんの話を聞く限り、恐らく真司くんが彼に怪我を負わせたのだとわかったけれど。
御坂くんは真司くんを恨んでないことは十分に伝わってきた。