独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 坂を駆け上がってきたのか、酔っ払いがいなくなると顔を伏せ、改めて息を整える彼を、ただ見つめる。

「峰島先生……どうして」

「それ、やめろ」

 地面に吐き捨てるような声に私は言葉を切る。

 顔を上げた彼は、ひどく怒った様子で私を睨んだ。

「先生って呼ぶな」

「でも」

「蒼史でいい。戻るぞ」

 そういうと、彼は問答無用で私を引っ張った。

「や、あの」

「おとなしくしろ。担ぎ上げて運ばれたいっていうならそうしてやる」

 冗談みたいなセリフだけど、振り向いた目は笑っていない。むしろ怒り心頭という様子に、私は口をつぐんだ。

< 152 / 181 >

この作品をシェア

pagetop