独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
見ると、横道から同じ歳くらいの男性ふたり連れが出てきたところだった。スーツ姿で顔を真っ赤にしている彼らの背後には、飲み屋の看板が煌々と光っている。
「なんか悲しいことでもあったの? 俺らが話聞いてあげるよー」
がははと笑いながら手を伸ばしてくる。普段なら簡単に距離を取れるけれど、中途半端にバッグを開いている状態で反応が遅れた。
腕を掴まれる――そう覚悟した瞬間、後ろから勢いよく伸びてきた手が、酔っ払いの手を払った。
「触るな」
すぐそばで聞こえた低い声に、胸が鳴る。
かばうように腰を引き寄せられ、私は目を見張った。
ふいに現れた人物の整った顔と、その美しさからは想像もつかないどすの利いた声。そして相手を燃やし尽くすような鋭い目つきに、サラリーマンたちは一瞬で顔色を変えた。
そそくさとその場を離れていく二人連れを見送りながら、私は動けなかった。