独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
***

 五月の連休が明けると、夜は春物のコートを着なくても過ごせるくらい暖かくなる。柔らかなライトに照らし出されたテラス席で、正面に座った水沢あずさが呆れたように言った。

「それはまた……やらかしたね優梨ちゃん」

 テーブルキャンドルの柔らかな炎を見下ろして、彼女はビールのグラスに口をつけた。

「朝起きたら隣にイケメン。しかも記憶がないとか、漫画?」

「漫画の話ならどんなによかったか……」

 ビールのグラスを掴んだままうなだれる私に、あずさは他人事丸出しで言う。

「まあでも、よかったじゃない。ずっと好きだったんでしょ、その不機嫌王子様のこと」

< 24 / 181 >

この作品をシェア

pagetop