独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

「……優しいよ、彼は」

 私が答えると、あずさは不思議そうにまばたきをした。

 空になったビールグラスを見下ろす。透明なガラスの向こうでテーブルキャンドルの炎が静かに揺らいでいた。

 事務所にいるときの不機嫌そうな彼を思い出しながら、私はもう一度つぶやいた。

「本当は、すごく優しい人なんだよ」







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