独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
「あー、おふたりの机は離れてるし、あんまり接点ないですもんね。事務局からだと所長室がよく見えるじゃないですか。蒼王子、所長室に来るとしょっちゅう麗香さんのことを見つめてますよ。それはそれは真剣な顔で」
「え……蒼王子ってば、あんな堅い女が好みなの? 久世さんなんて全然色気ないじゃない。にこりともしないで、まさに鋼鉄の女って感じ」
長澤さんの苦々しい声と、感情がまるで出ない久世さんの表情が頭の中でぐるぐる回る。
一口かじっただけのサンドウィッチを、口に運ぶことができなかった。腕の筋肉が消失したみたいに、力がまったく入らない。
あの夜、私の首筋に甘い吐息をこぼしていた彼を思い出し、頭の中がこんがらがっていく。
「でも麗香さんって、実は美人じゃないですか。全然華やかな格好しないから気づかれないだけで」