独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
彼の長い指が石ころのような猪口を口に運ぶ。つられるように私も杯に口をつけると日本酒の独特の味わいの向こうにほんのりフルーティな風味が漂った。
「わ、コレおいしい」
「イチゴの花酵母でつくった日本酒だってさ」
「へえ。だから少し甘い香りがするんですね」
物珍しさに透明な液体を覗き込んでいたら、じっと視線が注がれていることに気づいた。目が合うと、彼は意地悪そうに片頬を持ち上げる。
「酒が入るとやたらと明るくなるよな」
「えっ」
私は思わず手にしていたお猪口をテーブルに置いた。
「普段は凛としてて何事にも動じないのに、酔うと感情が駄々洩れになる」
「あの……私、やっぱり祝勝会の日になにかご迷惑を」