独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

「いや、迷惑どころか……楽になった」

「ラクに……?」

 箸を置いて少しのけ反るように身体を起こすと、彼は自身の胸のあたりをこぶしでさする仕草をした。

「ずっと、しこりみたいに残ってたんだ」

 ネクタイが外されたシャツはボタンがふたつ開いていて、目に入った鎖骨の窪みから私はとっさに視線を逸らす。ほどよくざわついた店内で、峰島先生の声はやけに通った。

「俺があの事務所にいるのは、あの人を傍で見ていたいからだ。けどそんな動機、不純でしかない」

 それは、ふたりでバーで飲んだときの会話の続きなのだろうか。

 聞き覚えのない話が、すぐには理解できなかった。

「峰島先生が、あの事務所にいる理由……?」

 自ら不純と言い放った彼の唇に目が行く。私に何度もキスをしたその唇が、私にとっては覚えがない言葉を吐きだしていく。

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