独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
約二週間後に迫った短答式試験の受験票には私の氏名や受験番号、時間割と試験科目などが記載されている。
「会場、智早(ちはや)なんだな。俺の出身大学だ」
「峰島先生は、在学中に予備試験に受かったんでしたっけ」
私のひとつ年上、二十八歳の峰島蒼史(あおし)は有名私立の智早大学に在学中、国内最難関と言われる司法予備試験を突破し、一発で本試験まで通ってしまった秀才だ。おまけに大学の専攻は法律ではなくて理工学だというのだから、恐ろしい。
「俺的には、短答は本試験より予備試験の方が難しかったな」
ネクタイは締めずにポケットにしまうと、彼はジャケットを羽織った。手慣れた仕草で、下襟にひまわりの形をしたバッジを裏返しに留める。
「これから事務所に行かれるんですか?」
「ああ。今日中に書き上げなきゃいけない準備書面がある」