一夜からはじまる恋
「いつの間に?」
「ん?」
写真を見つめていた湊に樹が話しかける。
「勉強したの?」
「あぁ。婚約指輪探しに行ったときに、医大の同級生が産婦人科やってて、会ってきたんだ。もし何かあっても大丈夫。ちゃんと守れる。」
湊の心強い言葉に樹は頼もしく感じた。
「ありがとう」
「当然だろ?」
「それでも、ありがとう。」
「うん」
湊は照れ臭そうに写真に視線を戻すと、樹の手を握った。
そんな湊の耳が真っ赤になっている。

初めてみる姿に樹は心から微笑んでいた。
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