一夜からはじまる恋
「ははっ!」
不意に吹き出して笑う湊に樹が視線を向ける。
「初めて見る顔だな。その顔。新鮮。」
そう言って笑う湊に樹は少し不機嫌な顔になる。
「大丈夫。一緒に行こう。」
樹の手を握り反対の手で湊は樹のお腹をさすった。
「赤ちゃんも緊張しちゃうだろ?堂々と行こう!」
と湊は樹の手をひいた。


大きな門から玄関までの距離にも樹は驚いた。やっと玄関にたどり着くと社長秘書の石川と家政婦が出迎えた。
そして玄関から入るとこれまた永遠に続きそうな長い廊下を通り会長の待つ部屋にたどり着いた。
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