一夜からはじまる恋
お墓の前に立ち樹はこらえきれず涙が流れた。
陸を失った悲しみが癒えたわけじゃない。

こうしてお墓の前に立つと陸が天国へ逝ってしまった現実をまた実感する。

陸、赤ちゃん、本当に男の子だったよ。
あの日私の夢の中で会いに来てくれてありがとう。
陸の想い伝わったよ・・・

樹はお墓の前で立ち尽くしながら陸に話しかけた。

湊は二人の間には見えない時間が流れていることを感じ、樹が立ち尽くす間少し離れたところから見守った。
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