一夜からはじまる恋
「そろそろ帰ろうか」
「うん」
カフェでの時間を満喫してから、二人は早めに自宅へ戻った。
家の中のことも、永遠が帰宅する前に済ませたいことがある。

樹は夕食の支度や洗濯をはじめ、湊は普段樹が届かないようなところの掃除をしてくれた。
切れそうだった電球の交換や、壊れた永遠のおもちゃも湊が器用に直していく。

「本当にいいパパ。」
永遠のおもちゃを直し終えた湊が永遠のおもちゃかごの中を整理していた。
樹がそんな湊にコーヒーをいれて机に置きながらそういうと、湊が樹の手をひいてソファに座らせた。

「俺はまだまだだよ。樹はいいママだけどな。俺が忙しくてなかなか子育てに参加できなくて、負担ばっかりかけてごめんな」
「うんん。そんなことない。」
湊が樹の肩を抱き寄せた。

「幸せだな」
「ん?」
「おもちゃ片付けながらさ、永遠の成長も感じて。こんなので遊ぶようになったんだなーとか、次は何に興味もつのかなーとか考えてたらさ。」
どんどんと成長している永遠。
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